株式会社勝栄 代表取締役 中村 努 様  インタビュー

 山梨県北杜市にて食肉・卵の生産販売を行い、直営飲食店とオンラインショップ「中村農場」にてこだわりの商品をご提供されている株式会社勝栄の代表取締役 中村努様へ、高品質な食肉・卵の生産と価値の高い商品提供継続のための秘訣についてお話を伺いました。
 インタビューは、東亜薬品工業株式会社東日本支店より、西川、石井が担当いたしました(2021年10月28日実施)。
 

クラブハウス内にて、宮島牧場の木村学場長にインタビューさせていただきました。
お忙しい中、インタビューに応じていただいた中村社長。  

◆農場の概要◆
  株式会社 勝栄
   山梨県北杜市にて肉用鳥農場と採卵鶏農場を経営。
 現在、肉用鶏として甲斐路軍鶏、八ヶ岳名水赤鶏、特殊鳥としてほろほろ鳥、鴨(バルバリー・合鴨)の4種を飼養。
 採卵鶏8種(八ヶ岳卵、烏骨鶏、コーチン卵、アローカナ卵(2種)、ハーブ卵、赤玉たまごなど)を併せて飼養羽数は約35,000羽。
 直営飲食店・ショップ、オンラインショップ、プリンとシフォンケーキ専門店である「中村農場」を運営。
 また、八ヶ岳南麓にフレンチレストラン「ル・ピオニエ」、「ククーカフェ」を出店。
 生産物は直営店をはじめ、方々から非常に高い評価を受けており、首都圏を中心に高級ホテル、著名な飲食店などでも採用されています。

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直売所ではお肉はもちろん、様々な加工品やお料理も提供されています。 
 
◆はじめに、農場での取り組みと多鳥種の飼養についてお聞きしました。◆  
─── 本日は大変お忙しい中、インタビューのお時間をいただきありがとうございます!
はじめに、中村社長のご経歴を教えていただけますか?
社長 私は現在この農場がある山梨県北杜市で生まれました。バイオ系専門学校へ進学のため上京し、卒業後はそのまま東京で飲食店に就職しました。学生の頃、部活で遠征した時には各地の郷土料理が楽しみでしたし、東京にいた10年間でファストフードから高級料理まで様々なお店へ出向き、その味を経験できたことが今の原点になっています。
 
 
─── 若い頃から飲食業界で経験を積まれていたのですね。
社長 東京での10年がなければ、今の仕事はできませんでした。農場での生産だけでなく、流通から販売まで行えるのは、飲食店に勤めていた経験、特に食肉業者さんと知り合いになったことが大きく、様々な人脈を構築できました。その頃に知り合った方々とは今でも家族ぐるみの付き合いが続いていますよ。1998年に就農しましたが、同年には直営店の「中村農場」を開店しています。そこから5年以上をかけて生産を安定化させていき、東京で培った人脈を活かして少しずつホテルや高級料理店との取引を開始していきました。
 
 
事務所でのインタビュー風景。
事務所でのインタビュー風景。
 
─── 現在の生産成績を教えていただけますでしょうか?
社長 採卵鶏に関しては、顧客に喜ばれる高品質な卵を作ることがなによりも重要と考えているので、生産性はそれほど気にしてはいないのが現状です。肉用鳥は育成率が平均100%以上で、95%だと非常に悪いくらいですね。平均的なロットとして600~800羽を2週間毎に導入しています。出荷率でも100%は切っていないと思います。
 
─── 大変優良な成績なのですね。
社長 ですが、ほろほろ鳥だけは成績がいまひとつなのが悩みどころなんです。
 
─── ほろほろ鳥のお話がでましたが、勝栄様では多種多様な鳥肉、鶏卵を生産されています。
どのようなきっかけで導入されたのでしょうか?
社長 もともと就農した時点で様々な鶏種を飼養していましたが、ホテルからの要望に合わせて、採用いただけるコストで高品質な採卵鶏種を増やしたのが始まりでした。今は様々な顧客のニーズに対応できるアイテム数となっています。今までで合計50種類以上は飼養しているんじゃないかな?
 
さつまいも 宮島牧場のオリジナル飼料。
直売所内の様子。加工品、卵もアイテム数がかなり豊富です。
─── 凄い数ですね!
社長 軍鶏や純血種、赤鶏は何種類も飼養しました。掛け合わせの違いで非常に多様ですからね。最近では鴨(合鴨とバルバリー)の生産を開始しました。ただ、合鴨は本当に生産性がよくないんです。一般的なチェリバリーという種類では出荷日齢が60日齢くらいなのですが、バルバリーは雄でも90日齢、雌は120日齢ほどです。合鴨はさらに長く130~150日齢と言われていますが、それでは全然お肉が取れず、もっと出荷日齢を伸ばしています。
─── 多品種の生産をしていて難しいことはどんな点でしょうか?
社長 飼養管理面でいうと、季節の変わり目の管理です。鳥種毎に飼料設計や添加物を考えなくてはいけないので。特に卵は、直営店で毎日割って中身の見本を出しており、卵黄の色の変化を確認しています。そういった微妙な変化を常に観察することが非常に重要だと考えています。採卵鶏と肉用鳥を一緒に飼養している点での難しさはやはり疾病対策ですね。過去に平飼いにもチャレンジしましたが、疾病のコントロールと品質の安定化が難しいことから、現在は行っていません。たくさん苦労していることはありますが、生産から飲食店まで自分で経営するつもりで就農したので、採卵と肉用鳥の両方を生産することは絶対に必要なことでした。
 
実際に卵を割ってサンプルとして展示されています。
(左から、八ヶ岳卵、赤玉卵、Pearl egg(白い黄身のアローカナ卵))
─── 就農された時点で決めていらっしゃったのですね。
社長 先程もお話した通り、多くの顧客のニーズに応えられるアイテムを持つことは大きなメリットと考えています。例えば、アローカナは青みがかった卵殻で卵黄は通常黄色ですが、それとは別にホテルのバーなどでも提供している白い卵黄の卵を生産しています。白い卵黄の卵を作るために飼料などを試行錯誤して3年かかりましたが、非常に好評をいただいています。以前は顧客のニーズに合わせて飼養鳥種を増やしていましたが、今では新規顧客にも既存のアイテムの中から選んでいただけています。
 

◆次に、飼養管理やお使いいただいているビオスリーエースについてお伺いしました◆
 
─── 中村社長の考える飼養管理で最も重要なポイントはいかがでしょうか?
社長 私が直接農場にいって鶏を観察すること、それが最重要ポイントです。勝栄が規模拡大しない理由にもなっていますけどね。 
 
─── 充分、企業として大きくなっていると思います(笑)。
社長 あとは、三兄弟の息子達が一人前になって戻ってきて、後継者となってからですかね(笑)。昨今SDGsから循環型農業への注目が高まっていますが、この土地はもともと私の父が開拓しており、そこでは当然のように循環型農業が行われていました。これが私の心にも強く根付いており、循環型農業として自家産堆肥を使って、にんにくを作っています。中村農場のにんにくは食べたときには甘味が強く風味もしっかりあるものの、次の日には匂いが残らず、高価ですが非常に好評をいただいています。それはなぜかを考えてみたときに、特殊な肥料は全く使わず自家産堆肥を使用していることが大きく影響しているのではないかと思います。仮説ではありますが、動物の腸の健康が堆肥に大きな影響を及ぼしていて、そこにビオスリーエースが繋がっていると感じています。ですから私は、動物の健康とそこから作った堆肥を使った作物にこだわっていきたいと考えています。 
 
─── 堆肥などの副産物の利用にもこだわっておられるのですね。
社長

実際に現在生産している作物全てに自家産堆肥を使用していますし、これからは野菜と栗・ベリー類・いちごなどの果樹もやっていこうと考えていて、実際に準備をしているところです。もちろんこちらも加工品を作っていきます。そういう意味で畜産だけではなく、そこから出る副産物の堆肥の有効利用を本格的に考えています。そこにはビオスリーエースが大きく関わってくると思っています。 


 

インタビューの様子。とても熱心にお話いただきました。  
─── ビオスリーエースのお話をいただきましたが、中村農場様では長年にわたりビオスリーエースをご使用いただいております。初めはどういった経緯で採用いただいたのでしょうか?
社長 当初ビオスリーエースを採用した理由としては、床面の水分量を良化するための消化率向上と食品衛生対策のためでした。ですが、使用を継続していくうちに良い卵を産むためには鶏の健康が重要であると認識し、腸内細菌叢の安定化が鶏の健康につながっていくと考えるようになりました。実際人も同じですよね。良質な腸内環境と十分に消化された糞便から製作された堆肥が、農作物を作るときに良い影響を与えてくれると期待しています。お金をかけなければ良い生産物はできない。そういう考え方が今につながったのかなと感じています。  
─── ありがとうございます。現在のビオスリーエースの使用方法も教えていただけますか?
社長 採卵鶏は産み始めから全期間で給与しています。肉用鳥は成績が安定しているので、お肉の食味を良くする目的で出荷前の約1ヵ月間で給与しています。
 
─── 採卵鶏、肉用鳥ともそれぞれに合ったプログラム使用いただき、本当にうれしく思います
社長 最近ではビオスリーエースと相性がいいのではと考え、植物抽出発酵液吸着混合飼料バイオ オド ロック50(製造元:ロック化学製品(株))を併用して試しているところです。堆肥への噴霧を勧められたのですが、鳥へ直接給与の方が良いのではないかなと感じました。発酵促進系の飼料ですのでビオスリーエースの腸管の健康を維持する効果を高めてくれると思っています。
─── 相乗効果が発揮されれば、非常に面白いですね!
社長 東亜薬品工業さんに是非聞きたいことがあります。ビオスリーが堆肥にどのような影響を与えているか知りたいです。実際使用している顧客からの反応はどうですか?
─── 採用いただいている農場様からは、堆肥の発酵がよくなった、臭気が薄れたなどの嬉しい反応はいただいております。臭気に関しては、アンモニア等の臭気物質が減少する傾向にあるというデータはございますが、堆肥の発酵などに関する具体的なデータとしてはこれからの課題になります。
社長 今後の情報提供を期待しています。
 

 ◆続いて、こだわりの生産物やレストラン出店についてお聞きしました◆
 
─── 健康な鳥にこだわって生産を行われている勝栄様の生産物・加工品は非常に高い評価を受けておられますが、その秘訣を教えていただけますか?
 
オシャレな内装! オシャレなサーロインステーキ!
写真左:親子丼 写真右:チキン南蛮 どちらもおいしそう・・・。
 
社長 社訓として「美味しいと言われる食作り」を掲げていて、従業員のみんながそれを理解し、誇りに思って仕事をしてくれていることですかね。
─── 確かに従業員のみなさま一人一人の対応が素晴らしいですものね!
社長 みんなが素材の良さを活かす美味しさを心がけて活動してくれています。レストランのメニューや加工品にしても、今まではほとんど私自身が手掛けてきたのですが、これからの新メニューや加工品は従業員のみんなに任せようと考えています。私はこれからスタートする野菜や果樹の方に集中しようかと。野菜・果樹生産を広げていくのも魅力のある生産物を広げていくということにつながりますしね。 
 
─── 信頼がおける多くのスタッフが会社をさらに良くしていく、ということですね。 勝栄様はフレンチレストラン「ル・ピオニエ」、「ククーカフェ」などの多角経営を行っておられますが、レストランを始めたきっかけをお聞かせいただけますか?
社長 生産物の価値を高めることを目的に出店しました。勝栄では高級食材としての生産物を提供していますが、それを顧客に理解いただき評価を上げるためには、レストランやカフェで1ランク上の食材を提供していることを知ってもらうことが重要と考えたからです。実際に出店後、直営飲食店やオンラインショップの評価もあわせて良くなっていきました。苦労している点としては料理人の雇用と維持ですかね。現在は由紀子専務(社長の奥様)が中心となり運営をしてもらっています。 
 
レストラン、カフェの建物もとてもおしゃれで、こだわりが伝わってきます。  
─── 現在も新型コロナウイルス感染症の状況が見通せない中ですが、生産物や直営飲食店、レストランへの影響はどうでしょうか?
社長 そうですね、生産物を納めているホテルは少なからず影響がありました。もともと取引先のホテルは外資系が多かったので、外国の方の来日が少ないとやはり影響が大きいですね。ですが、コロナが少し落ち着けばすぐに注文数も戻ってくる印象です。直営飲食店やレストランではコロナ対策で席を減らさざるを得ないため、大きな影響としては並んでいただく時間が増えてしまっていることでしょうか。 
 
受賞牛のデータ 受賞牛のデータ
ある日の直売所の様子。各地からのお客様でにぎわっていました。
─── 唯一無二の高品質な生産物を提供されているので、顧客をしっかりつかんでいらっしゃる強みが発揮されているのですね。
 

 ◆最後に、今後の展望と意気込みを伺いました。◆
 
─── 今後の展望、意気込みについてぜひ教えてください。
社長 まずはお話した野菜・果樹生産の本格化がありますが、中村農場の料理や生産物を食べたいと思って、遠くまで足を運んでくれる方々、本当に良いと思って訪れてくださる方々を大事にしたいです。そのため、5年くらいを目途に会員制のお店を新たに開きたいと考えています。会員証は無料で設定して、登録いただいた方々のために景観や雰囲気にこだわった高ランクのお店を検討中です。また、コロナの状況次第にはなりますが、直売店の前でカウンター8席の焼き鳥屋を始めます。私が食事を提供できる土日祝日のみの営業で、特殊部位が中心のお任せコース、塩味のみで鳥肉の味の違いを感じていただけるお店にしたいと思っています。これから勝栄の生産物を飲食店で採用いただくときには、採用決定された方と面談したうえで取引を検討したいと考えています。やはり限りある生産物ですので、志を共にする方と関係を作っていきたいですね。 
 
オシャレな内装! オシャレなサーロインステーキ!
様々なお肉を販売されていて、焼き鳥屋さんでのメニューにも期待大!
 
─── 今後も多くの経営戦略を練っておられるのですね。楽しみにしております。 最後に中村農場様のPRを一言お願いします!
社長 やはり社訓である「美味しいといわれる食作り」ですね。処理担当や加工担当は美味しそうに見えるよう見栄えにもこだわってくれていますし、直営店スタッフの接客もそこを心がけてくれています。この社訓をモットーに社員一同、今後も品質の高い製品を提供していきます。 
 
─── これからもビオスリーを通じて微力ながらお力添えさせていただければ幸いです。 本日は長時間にわたり、インタビューにご協力いただき本当にありがとうございました。
由紀子専務と中村社長。今後ともよろしくお願いいたします。
由紀子専務と中村社長。今後ともよろしくお願いいたします。